すべり症が腰痛の原因ではない理由

腰痛に悩む人

腰痛で整形外科に行くと、ヘルニア、脊柱管狭窄症の次に多いのがすべり症という診断です。この記事では、 すべり症とはどういう症状なのか?そして 何か月病院に通っても痛みが良くならなかったり、手術をしても痛みが解決しなかったりするケースが多いのは何故なのか  について解説したいと思います。

 「私の腰の痛みはなぜ良くならないのだろう?」「手術をしたのに痛みが取れないのはどうしてだろう?」 と悩んでいる方にお役立て頂けると思います。

今日は!痛み解消スペシャリストの長岡です。

「これがあなたの背骨の状態です」と言って、レントゲン写真を見せられながら説明されれば誰でも「そうか!背骨のすべり症が原因か…!」と落ち込んでしまうかも知れません。しかし、少し医学を勉強すると、このすべり症が腰痛の原因とする説明には多くの矛盾のあることが分ります。

 『腰痛の原因は何なのか?』『どうして病院や色々な治療を試しても良くならないのか?』 という事について詳しくお話したいと思います。

すべり症が腰痛の原因というのは本当か?

腰椎分離症とすべり症のイメージ

脊椎分離症は第5腰椎部分に発生することが多いようです。 腰のカーブが過前湾となって反り過ぎると、第4腰椎と仙骨部分で疲労骨折が生じ、第5腰椎を前方部分と後方部分に分離する症状です。   分離症が起こると、上に乗る椎骨が骨盤の傾きのため、前方すべってゆくので、脊椎すべり症と呼ばれています。 

私達はレントゲンに写った腰椎の状態を見せられながら、上記のような説明をされると、失意のどん底に落ちてしまいます。私も昔、腰痛で整形外科に行った時「軟骨がすり減ってありません」と言われ、人生が終わったようにガッカリしました。

しかし、心配要りません。 あなたの一番の願いは「痛みを何とかしたい」という事だと思います。大抵の人は「痛くさえなければ、ヘルニアでも狭窄症でも、すべり症でも何でもいいんです」と言います。 

たぶん ほとんどの人はすべり症を治さないと痛みは取れないと思っています。 しかし、「え~ホントですか??」と思うかも知れませんが、 すべり症を治すことと、あなたの腰痛を解決することは同じではありません。全く別の話です。 

分離症やすべり症がウソだと言うつもりはありません。レントゲンで分る事なのでそれは間違いありません。しかし  分離症やすべり症が本当に腰痛の原因なのか?  という事です。

「痛みがなぜ起こるのか?」ということを色々勉強すると  『すべり症=腰痛の原因』とするにはいくつもの矛盾する事実があります。 その矛盾についてお話します。

矛盾1 すべり症でも腰痛のない人の方が多い

病院で検査をすれば分離症やすべり症の人はいっぱいいます。自動車でも長年乗れば色んな部品が摩耗して交換が必要になります。まして生身の体ですから、長年使えば骨格系がすり減ったり、変形したりしても不思議ではありません。若い時と同じ方がおかしいです。

 すべり症や分離症が腰痛の原因でない理由 について、私が愛読している加茂整形外科医院院長の加茂淳先生が書いた『トリガーポイントブロックで腰痛は治る!』から抜粋してご紹介します。

 腰椎すべり症が腰痛の原因でない証拠  「腰椎すべり症」が腰痛と関係がないことは、日本腰痛学会の調査でもあるていど分っているのです。 第10回腰痛学会の抄録の中に、大意、次のようなことが述べられています。

腰椎すべりのある群とない群との間で、腰痛の発症に差があるかどうかを知るために、2001年9月に栃木県塩谷郡栗山町村で調査が行われました。対象者は65才から85才未満の女性で、98名が受信しました。

 受信者98名中、腰椎すべり症群は29名、全体の29.6%です。この年齢層になると、約30%の方に腰椎すべり症が発生しているという事です。  調査の結論は、「腰痛の訴えは、腰椎すべり群の方がむしろ少なかった」というものでした。  これを裏返せば、「腰椎すべりのない人のほうが腰痛の訴えが多かった」となります。 「腰椎すべり症が腰痛の原因」と思い込んでいる人には意外な結果でしょうが、私にとっては「やはりね」ということになります。

石川県にある加茂整形外科医院院長の加茂淳先生の著書『トリガーポイントブロックで腰痛は治る!』から一部抜粋
 これですべり症や分離症が腰痛の原因でないことが分ったと思います。逆に調査結果ではすべり症でない人の方が腰痛が多かったと言います。この内容はすでに腰痛学会でも分っていることなのです。 

矛盾2 腰椎が分離していても痛くない

 腰椎にヒビが入ったり、腰椎の関節が分離して医師に「これが痛みの原因だ」と言われれば「間違いない!」と思ってしまいます。しかし、生命の仕組みからするとちょっと違います。 

 痛みというのは神経の先端にあるセンサーが痛みの信号をキャッチして、脳に伝えると痛みとして感じます。(「痛みのメカニズム」参照)ところが骨の中に神経は通っていません。ですから骨にヒビが入ったり分離したりしても、それが痛みの原因になることはありません。 

歯医者さんに行った時のことを思い出して下さい。歯を削っても痛くはありません。神経にぶつかると「ズキン!」と痛みが起こるのです。ですから、歯医者さんでは麻酔を打って、神経が痛みを伝えないようにしてから治療する訳です。

例え腰椎にヒビが入ったり分離したりしたとしても、ムリをしないで安静にしていれば、私達の体が持っている自然治癒力で骨はくっついて元に戻ります。骨折した時、骨を綺麗につなぐのはドクターですが、 つないだ骨が元に戻るのは自然治癒力です。私達の体にはすばらしい治癒力が備わっているので心配要りません。 

矛盾3 ズレた骨が神経を圧迫して痛いも誤解

そうすると今度は「ずれた骨が神経を圧迫しているから痛みが起こる」と説明されるかも知れません。ほとんどの人は「神経が痛い」と思い込んでいるので「そういうことか…」と思うかも知れません。しかし、これも医学的に矛盾した説明です。

整形外科の痛みが起こる説明は   「神経が圧迫されて痛みが起こる」という事です。実はこれが一番のおおきな矛盾であり問題です。現代医学で「痛みのメカニズム」(痛みが起こる仕組み)は生理学で学ぶ内容になっています。   

その生理学で神経の働きについてどう書いてあるか紹介します。これは医師の卵たちも実際に医学部の講義で習う内容です。

  「痛みというのは通常、神経線維の先端についている痛みセンサーだけがキャッチします。痛みセンサーが電気信号を伝えてはじめて、痛みが感知される のです。 神経の途中で痛みが発生したり感知されることはありません。 」    

石川県にある加茂整形外科医院院長の加茂淳先生の著書『トリガーポイントブロックで腰痛は治る!』から一部抜粋
神経のメカニズム
神経の仕組み

上図(神経の仕組み)をみると分りますが、    神経の先端には感覚受容器というセンサーが付いています。このセンサーが痛みの電気信号をキャッチすると、脳に伝わって痛みを感じます。    神経の途中にはこのセンサーがないので、圧迫されたりしても痛みを感じたりしないというのが生理学(生命の仕組み)における医学の常識になっています。 

通常のセンサーと同じ仕組みです。センサーはその先端で情報をキャッチして、情報がモニターに送られます。    途中の線を足で強く踏んだとしても、センサーが働くことはありません。何も起こりません。    

実は神経もセンサーと同じような仕組みになっています。ですから    神経の途中が骨で圧迫され痛みが起こるという整形外科の説明は、医学部で教える生命の仕組みと全く矛盾していることになります。    

矛盾4 実際はすべり症の部分でない所が痛い

整形外科は骨が専門ですから、腰が痛いという患者さんがくれば、「腰が痛い=腰椎の問題」という発想で、腰椎のレントゲンを撮って骨の損傷を調べます。

しかし、私は医者ではないので、   患者さんが体のどこが痛いのか丁寧に調べます。 すると 実際に痛い部分は神経が圧迫されている腰椎や、神経が伸びている方向とは関係ない所に見つかることが多くあります。  

すべり症と診断された人の腰痛例
 ドクターにとっては患者さんが腰のどの辺が痛いかなど全く関係ありません。「腰が痛い!」と言えば レントゲンやMRIなどで腰椎の問題だけを探します。 

 しかし、実際の痛みは、狭窄症とは全く関係ない腰部分が痛んでいる場合も多いのです。 上図の写真は本の一例ですが、「すべり症」と診断された患者さんが腰のどの辺が痛いか「ここは痛いですか?」と聞きながら、実際に痛い部分にパッチを貼った写真です。

 左のレントゲン写真からは骨の状態しか分りませんが、右端の筋肉図と比較するとこの患者さんの腰痛は骨盤の上左右にある「腰方形筋」という筋肉が痛んでいると分ります。病院の診断と実際に痛い所が違っている典型的な事例です。 

矛盾5 手術をしなくても痛みは解決する

鍼灸、接骨院、整体、カイロ等々、世の中には様々な治療方法があります。現代医学がこれほど進歩し、健康保険で安く受診できるのに、どうしてこんなに色んな治療があるのだろう?と思うことがあります。

たぶん整形外科が痛みの解決にイマイチ成果を上げていないから、このように色んな治療が存在するのだと思います。整形外科で本当に良くなるのであればハッキリ言って必要ありません。

しかし、  実際に 手術以外の民間療法で良くなってしまう場合もかなりあります。   実際良くなった人の話もたくさん聞きました。  分離やすべりが腰痛の原因であれば手術以外に解決方法はないことになります。  しかし、  代替医療(手術、薬以外の方法)でもウソみたいに簡単に良くなるケースも多い   のです。

このホームページで紹介している  メディカル イオンシートを使っても、ほとんどの腰痛は解決します。痛んでいる度合いで多少違いはありますが、早い人は1回でしかも2~3分で全然痛みが楽になってしまいます。  

病院で分離症やすべり症が腰痛の原因だと説明された患者さんは「魔法みたいですね!」と驚きます。なぜそのようなことが起こるのか?私は骨の治療はしていないし、治すこともできません。

しかし痛みを解決することはできます。手術以外の方法で痛みが消えてしまうという現実も、骨や神経が痛みの原因とする説明からすると矛盾した話です。

なぜ、整形外科の医師は神経が痛いと言うのか?

私は患者さんの体に触れながら、実際に痛い所を探すのが施術の基本なので「あ~、ここの筋肉が痛んでいるんだな…」と分ります。ですから10年以上前から痛みは筋肉だとが分っていました。

しかし、ドクターが「生理学の痛みのメカニズム」で、『痛みは筋肉に起こる』と学んでいるのになぜ『骨がすり減って痛い』とか『神経が圧迫されて痛い』というのか理解できませんでした。

実際に痛い所を確認すれば、骨なのか筋肉なのかすぐに分かるので、「医師がこんなこと分からないはずがない」「もしかしたら、私が間違っているのだろうか?」と長年疑問を感じていました。

10年くらい前、加茂整形外科医院院長の加茂淳先生の著書『トリガーポイントブロックで腰痛は治る!』という本を読んでその疑問がやっと解決しました。加茂先生の本にはこのように書いてあります。   やっぱり整形外科のドクターは痛みが筋肉だということを知らなかったのです。   

 「痛みのメカニズムを知らない医師」 

  腰痛など筋骨格系の痛みのほとんどは、 筋肉のけいれんからくる「筋痛症」が原因です。 簡単に言うと、 筋肉の痛みです。 ところが、 医師の卵は、その肝心な 筋肉の生理学や病態についてはほとんど習わない のです。なぜか 現代医学から「筋肉」がすっぽり抜け落ちてしまっています。    
 
いまの医学教育では、「痛みのメカニズム」については、   基礎医学の生理学で 臨床の勉強を始める前にちょっと習うだけで、医師になる頃にはすっかり忘れている のが現状だと思います。   

つまり、    痛みのメカニズムを忘れてしまった医師が、習ったことがない筋肉の病態を診ている のです。そして、  レントゲンやMRIや関節鏡で見える「骨格異常」が痛みの原因だと教えられ、疑うこともせず、そう思い込んでいる のではないでしょうか。   

石川県にある加茂整形外科医院院長の加茂淳先生の著書『トリガーポイントブロックで腰痛は治る!』から一部抜粋
 ドクターの卵たちは、「痛みのメカニズム」ついて実はほとんど習っていないに等しいのです。それで医療の現場に出てから先輩に「神経が圧迫されるのが痛みの原因だ」「骨がすり減っているのが原因だ」と教えられ、全く疑うこともなく診断している    というのが現実のようです。

その背景には、    筋肉はレントゲンやMRIをで検査しても写らない、 そして 現代医学には「筋肉科」がない 為に、 筋肉のことを研究しているドクターもほとんどいない、 さらに 整形外科のドクターはレントゲン画像だけ見て、体を見ない    という現実があるように思います。

 では医学部の生理学で学ぶ痛みが起こる仕組みはどうなっているのか?こちらで詳しく解説します。「痛みのメカニズム」