座骨神経痛が病院で良くならない理由

ヘルニアや脊柱管狭窄症と並んで多いのが座骨神経痛です。坐骨とはイスに座った時、イスの板に当たるお尻の骨の事です。 坐骨神経は腰からお尻を通って、太腿の裏、ふくらはぎを通って足先まで伸びています。    この神経が圧迫されて、腰~お尻~太腿~ふくらはぎに生じるというのが座骨神経痛の考え方です。 

座骨神経と神経痛が起こる部分

上図右が痛みが起こりやすい部分です。確かに坐骨神経が伸びている方向に痛みが起こっているように見えます。ほとんどの治療家は坐骨神経の痛みであると考えるのも当然と言えます。

しかし、 実際に痛い部分を押圧して確認すると、下写真のように痛んでいる部分が分ります。実際に押圧しながら体に触れると分かるのですが(恐らく実際にどこが痛んでいるのか調べたことのあるドクターも治療家もほとんどいないと思います)痛い部分は筋肉が硬くなっているのが分ります。

坐骨神経痛の正体
実際に体の痛い部分を触って調べると筋肉が痛んでいることが分かる

➀お尻の筋肉②太ももの裏の筋肉③ふくらはぎの筋肉が痛んでいることが分ります。 筋肉が硬くなって正常に伸びたり縮んだりできない状態になっています。それが動いて無理に伸ばされた時痛みが起こります。  

これらの筋肉から痛みの信号が発生して、その信号を坐骨神経についているセンサーがキャッチして脳に痛みを伝えているのが坐骨神経の痛みの正体です。

けして坐骨神経が圧迫されて痛い訳ではありません。ドクターも多くの治療家も体のどこが痛いか実際に触ってみたりしないのでそのことが分りません。

神経が痛いというのは誤解です。

坐骨神経痛の説明の根本は  「神経が圧迫されて痛みが起こる」  ということです。今の医学で神経そのものを治すことはできません。ですから病院で薬や手術で治す事はできません。痛み止めを処方するしか方法がないのが現実です。しかしこれにはおおきな矛盾があります。

現代医学で「痛みのメカニズム」(痛みが起こる仕組み)については生理学で学ぶ内容です。  その生理学で神経の働きについてどう書いてあるか紹介します。これは医師の卵たちが実際に講義で習う内容です。

 「痛みというのは通常、 神経線維の先端についている痛みセンサーだけがキャッチします。痛みセンサーが電気信号を伝えてはじめて、痛みが感知される のです。 神経の途中で痛みが発生したり感知されることはありません」 

石川県にある加茂整形外科医院院長の加茂淳先生の著書『トリガーポイントブロックで腰痛は治る!』から一部抜粋
神経のメカニズム
神経が痛みを伝える仕組み

上図(神経の仕組み)をみると分りますが、  神経の先端には感覚受容器というセンサーが付いています。このセンサーが痛みの電気信号をキャッチすると、脳に伝わって痛みを感じます。   神経の途中にはこのセンサーがないので、圧迫されたりしても痛みを感じるという事はないというのが生理学(生命の仕組み)における医学の常識 です。 

通常のセンサーと同じ仕組みです。センサーはその先端で情報をキャッチすると情報がモニターに送られ、画像として見たりできます。  途中の線を足で強く踏んだとしても、センサーが働くことはありません。何も起こりません。  

神経もセンサーと同じような仕組みになっています。ですから  神経の途中が圧迫され痛みが起こるという説明は、医学部で教えている生理学の生命の仕組みと全く矛盾する説明ということになります。  

ドクターはどうして神経が痛いというのか?

私は、ドクターはちゃんと生理学の「痛みのメカニズム」で、『痛みは筋肉に起こる』と学んでいるのになぜ骨とか神経の問題にしてしまうのか理解できませんでした。

私は患者さんの体に触れながら、実際に痛い所を探すのが施術の基本なので「あ~、ここの筋肉が痛んでいるんだな」と分ります。ですから10年以上前から痛みは筋肉が原因で起きていることが分っていました。

実際に痛い所を確認すればすぐに分かる事なので、「医師がこんなこと分からないはずがない」「もしかしたら、私が間違っているのだろうか?」と長年思っていました。

その疑問が加茂整形外科医院院長の加茂淳先生の著書『トリガーポイントブロックで腰痛は治る!』という本を読んでやっと解決できました。やっぱり医師は分っていなかったのです。加茂先生の本にはこのように書いてあります。

 「痛みのメカニズムを知らない医師」 

 
 腰痛など筋骨格系の痛みのほとんどは、 筋肉のけいれんからくる「筋痛症」が原因です。 簡単に言うと、 筋肉の痛みです。 ところが、 医師の卵は、その肝心な 筋肉の生理学や病態についてはほとんど習わない のです。なぜか 現代医学から「筋肉」がすっぽり抜け落ちてしまっています。  
 
いまの医学教育では、「痛みのメカニズム」については、基礎医学の生理学で  臨床の勉強を始める前にちょっと習うだけで、医師になる頃にはすっかり忘れている のが現状だと思います。 

つまり、  痛みのメカニズムを忘れてしまった医師が、習ったことがない筋肉の病態を診ている のです。そして、  レントゲンやMRIや関節鏡で見える「骨格異常」が痛みの原因だと教えられ、疑うこともせず、そう思い込んでいる のではないでしょうか。  

石川県にある加茂整形外科医院院長の加茂淳先生の著書『トリガーポイントブロックで腰痛は治る!』から一部抜粋

ドクターの卵たちは、「痛みのメカニズム」ついてほとんど習っていないに等しいのです。それで医療の現場に出てから先輩に「神経が圧迫されるのが痛みの原因だ」と教えられ、全く疑うこともなく診断している  というのが現実のようです。

その背景には、  筋肉はレントゲンやMRIをで検査しても写らない、 そして 現代医学には「筋肉科」がない 為に、 筋肉のことを研究しているドクターもほとんどいない、 さらに 整形外科のドクターはレントゲン画像だけ見て、体を見ない  という現実があるように思います。

 では医学部の生理学で学ぶ痛みが起こる仕組みはどうなっているのか?こちらで詳しく解説します。「痛みのメカニズム」

座骨神経痛は神経の痛みではなく、腰、お尻、太もも、ふくらはぎにあるそれぞれの筋肉が痛んでいる状態です。下記ページで詳しく解説します。

坐骨神経痛の解決方法についてはコチラで詳しく解説します。

「病院や治療院で良くならない方の痛み解消法」