ふくらはぎの痛みは多くの方が経験する身近な症状です。
この記事ではふくらはぎの痛みの原因から具体的な治し方や予防策までを詳しく解説します。
痛みの根本原因を理解し、適切なケアで快適な毎日を送りましょう。
ふくらはぎの痛みの主な原因と種類
筋肉疲労と筋肉の損傷
運動不足や長時間の立ち仕事、急な運動などで筋肉が疲労し炎症を起こすことが多くあります。
筋肉の疲労は筋肉内のエネルギー不足や老廃物の蓄積によって引き起こされ、痛みやこわばりを伴います。
疲労が蓄積すると筋肉の修復が追いつかず、慢性的な痛みにつながることもあります。
痛みと筋肉についてこちらで詳しく解説
また肉離れなどの筋肉の損傷も痛みの原因となります。
肉離れは筋肉が過度に伸ばされたり急激な収縮が起こったりすることで、筋肉の繊維が断裂する状態です。
損傷の程度によっては激しい痛みや腫れ、内出血を伴うことがあります。
筋肉の損傷は、適切な治療を行わないと痛みが長引いたり再発しやすくなるため注意が必要です。
筋肉疲労や損傷による痛みは、運動後や特定の動作時に悪化することが多いです。
血行不良による痛み
血行不良はふくらはぎの痛みを引き起こす根本的な原因になります。
血行が悪くなると筋肉や神経への酸素や栄養の供給が滞り、筋肉の細胞が破壊されます。
また老廃物も蓄積しやすくなり、筋肉の緊張や痛み痺れ等の症状が現れる事があります。
特に長時間の座り仕事や立ち仕事は、ふくらはぎの血行を悪化させやすいです。
また下肢静脈瘤や閉塞性動脈硬化症などの血管の病気も、血行不良による痛みを引き起こす可能性があります。
下肢静脈瘤は足の静脈の弁が正常に機能しなくなり、血液が逆流して血管が拡張する病気です。
閉塞性動脈硬化症は、動脈硬化によって血管が狭くなり血液の流れが悪くなる病気です。
これらの病気は、重症化すると安静時にも痛みを伴うことがあります。
血行不良による痛みは、冷えやむくみを伴うことが多いのが特徴です。
神経の圧迫による痛み
病院では坐骨神経痛など神経の圧迫がふくらはぎの痛みを引き起こすと説明される場合がありますが、近年この診断には矛盾が指摘されています。
坐骨神経は腰から足にかけて伸びている太い神経で、この神経が圧迫されて腰やお尻、太もも、ふくらはぎにかけて痛みや痺れが生じるという説明です。
しかし、現代医学の生理学で「神経は痛みを伝えるセンサー」だという事が分かっています。
つまり神経が痛いのではなく、神経は痛みを伝える器官というのが医学の基本的考え方です。
こちらで詳しく解説
腰椎椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症などの腰椎疾患でも、神経が圧迫されるのが原因でふくらはぎに痛みやしびれを感じると説明されます。
これらの疾患は加齢や姿勢の悪さや重いものを持ち上げるなどの負担によって引き起こされると言われていますが、一番負担がかかるのは筋肉です。
筋肉が痛んでいると負担がかかったときに痛みが起こると考えるのが生理学的な見解です。
足にも筋力低下や感覚異常を伴うこともあります。
これらも筋肉の損傷に見られる症状ですが、進行すると歩行困難になることもあります。
痛みが酷い時には自己判断せずに専門医の診察を受けることが重要です。
整形外科は骨折など骨の問題が専門なので痛みは骨に関係する問題が原因になります。
しかし筋肉を研究している専門医に行くと筋肉の原因が特定されます。
適切な専門医の治療を受けることで症状の改善が期待できますが、症状の原因と違った専門医に行くと全く違う治療になってしまいます。
本来内科に行くべき問題が外科に行っているような意味合いになります。
ふくらはぎの痛みに対する応急処置
RICE処置
安静(Rest)冷却(Ice)圧迫(Compression)挙上(Elevation)のRICE処置は、痛みを和らげるための基本的な対処法です。
特にケガや炎症による痛みに有効です。
痛みの原因が筋肉の場合、冷却や圧迫は血流を悪くするので逆効果になる場合があります。
安静は痛む部位を動かさないようにして炎症の悪化を防ぐために重要です。
冷却は患部を冷やすことで、炎症や腫れを抑え痛みを和らげる効果があります。
氷嚢や冷却パックをタオルで包み15〜20分程度冷やします。
圧迫は包帯やサポーターなどで患部を圧迫することで、腫れを抑える効果があります。
ただし締め付けすぎは血流を悪くするので注意が必要です。
血流が悪くなると自然治癒力の働きが悪くなります。
挙上は患部を心臓より高い位置に保つことで、血液の循環を促し腫れを軽減する効果があります。
RICE処置は、痛みが現れたらできるだけ初期の段階で行うことが効果的です。 症状が改善しない場合は医療機関を受診しましょう。
痛みを和らげるマッサージとストレッチ
痛みが和らいできたらふくらはぎを優しくマッサージしたりストレッチをすることで、血行を促進し痛みを和らげることができます。
マッサージは、筋肉の緊張をほぐし血行を促進する効果があります。
指の腹を使ってふくらはぎを下から上に向かって優しく揉みほぐします。
力を入れすぎると逆に痛みを悪化させる可能性があるので注意しましょう。
ストレッチは、筋肉の柔軟性を高め血行を促進する効果があります。
ふくらはぎのストレッチは、壁や椅子に手をついて片足を後ろに引きアキレス腱を伸ばすように行います。
無理のない範囲で、ゆっくりと時間をかけて行いましょう。
マッサージやストレッチは、入浴後など筋肉が温まっている状態で行うとより効果的です。
痛みが強い場合は、無理に行わないようにしましょう。
温熱療法
入浴や温湿布などで温めることで血行が促進され、筋肉の緊張が和らぎ痛みが軽減されます。
温熱療法は、筋肉の緊張が強い場合や血行不良による痛みに有効です。
入浴は全身を温めることで血行を促進し、筋肉の緊張を和らげる効果があります。
ぬるめのお湯にゆっくりと浸かるのがおすすめです。
温湿布は患部を直接温めることで、血行を促進し痛みを和らげる効果があります。
市販の温湿布や蒸しタオルなどで患部を温めます。
温熱療法はRICE処置とは異なり、炎症が治まってから行うのが適切です。
炎症がある場合は温めると症状が悪化する可能性があるため注意が必要です。
温熱療法を行う際は、低温やけどに注意し長時間同じ場所に当て続けないようにしましょう。
自宅でできる細胞活性療法
上の写真はふくらはぎのどこが痛んでいるのか丁寧に確認しながらパッチを貼った写真です。
右の筋肉図と比較すると「下腿三頭筋」が痛んでいるのが分かります。
ふくらはぎが痛い時の原因は筋肉であることが生理学で分かっています。
しかし筋肉はレントゲンに写りません。
そして今の医学には「筋肉科」がないのでレントゲンに写った骨や神経の問題がふくらはぎが痛い原因になってしまう可能性が高いです。
上の写真はふくらはぎが痛い人の「細胞活性療法」の治療事例です。
ふくらはぎの痛いところを確認してシートを貼るだけです。
仕事やスポーツで足を酷使すると、自律神経が血管を収縮させるので筋肉に十分な栄養や酸素が供給されなくなり、その結果細胞が破壊されます。
なぜ細胞が破壊されてしまうかというと、活性酸素が関係しています。
生理学的の視点から痛んだ細胞を回復させる方法が「細胞活性療法(細胞還元療法とも言います)」です。
医療と言うより「化学を応用した方法」と言った方が正しいかも知れません。
シートを痛いところに貼るだけなので、誰でも自宅で簡単に試すことができすぐに効果が分かる今までに無い画期的方法です。
ふくらはぎの痛みを予防する方法
定期的な運動とストレッチ
適度な運動は血行を促進し筋肉を強くします。
ウォーキングやジョギング、水泳などの有酸素運動は、全身の血行を促進し、筋肉を強くする効果があります。
筋肉が強くなると疲労しにくくなり、痛みの予防につながります。
また運動前後のストレッチは、筋肉の柔軟性を保ちケガの予防になります。
ストレッチは筋肉をゆっくりと伸ばすことで、筋肉の柔軟性を高め血行を促進する効果があります。
運動前に行うストレッチは、筋肉を温め運動によるケガを予防する効果があります。
運動後に行うストレッチは、筋肉の疲労を回復し筋肉痛を軽減する効果があります。
運動は毎日続けることが重要です。
無理のない範囲で、継続して行いましょう。
適切な水分補給
水分不足は血行不良を招き、筋肉がつる原因にもなります。
こまめな水分補給を心がけましょう。
水分は血液の循環をスムーズにし、筋肉への酸素や栄養の供給を助ける役割があります。
水分が不足すると、血液がドロドロになり血行が悪化します。
血行が悪化すると筋肉が酸素や栄養不足になり、疲労しやすくなったり筋肉がつりやすくなったりします。
また脱水症状は、筋肉の痙攣を引き起こす原因にもなります。
特に運動時や入浴後、就寝前などは、水分をこまめに補給するように心がけましょう。
1日に必要な水分量は個人差がありますが、一般的には1.5〜2リットル程度が目安です。
水やお茶、スポーツドリンクなどをこまめに飲むようにしましょう。
カフェインを含む飲み物やアルコールは利尿作用があるので水分補給には適していません。
冷え対策
体を冷やさないようにすることも重要です。
特に冷えやすい足元は、靴下やレッグウォーマーなどでしっかり保温しましょう。
冷えは血行を悪化させ、筋肉の緊張を引き起こす原因になります。
特に足元は心臓から遠く、血行が悪くなりやすい部位です。
冷えやすい冬場だけでなく、夏場もエアコンなどで体が冷えやすいので注意が必要です。
靴下やレッグウォーマーは、足元を温め血行を促進する効果があります。
また、入浴や足湯などで体を温めることも効果的です。
体を温めることで血行が促進され、筋肉の緊張が和らぎ痛みの予防につながります。
外出する際は厚着をしたりマフラーや手袋などを着用して、体を冷やさないようにしましょう。
また、バランスの取れた食事を心がけ、体の中から温めることも大切です。
ふくらはぎの痛みで注意すべき症状と受診の目安
医療機関を受診する目安
痛みが激しい場合や痛みが長引く場合、足の痺れやむくみ皮膚の変色などを伴う場合は、医療機関を受診しましょう。
激しい痛みは、肉離れや骨折などの重篤な疾患が原因である可能性があります。
痛みが長引く場合は、慢性的な炎症や神経の圧迫などが原因である可能性があります。
足の痺れやむくみ皮膚の変色は、血行障害や神経障害が原因である可能性があります。
これらの症状は放置すると重症化する可能性があるため、早めに医療機関を受診し適切な診断と治療を受けることが重要です。
医療機関では問診や触診画像検査などを行い痛みの原因を特定します。
ユビーなどのサービスで症状をチェックするのも有効です。
ユビーはAIによる症状チェックツールで、自宅で手軽に症状をチェックし適切な医療機関を受診する目安を知ることができます。
考えられる病気
ふくらはぎの痛みのほとんどの原因は筋肉です。
しかし、まれに他の問題で起こる場合もあるので簡単に解説します。
「深部静脈血栓症」「閉塞性動脈硬化症」「下肢静脈瘤」などの疾患が疑われる場合は専門医の診察が必要です。
深部静脈血栓症は足の静脈に血栓ができる病気で、突然のふくらはぎの痛みや腫れ発赤などを伴います。
肺血栓塞栓症という命に関わる合併症を引き起こす可能性があるため、早急な治療が必要です。
閉塞性動脈硬化症は、動脈硬化によって足の動脈が狭くなり血液の流れが悪くなる病気です。
足の冷えやしびれ、歩行時の痛みなどを伴います。
重症化すると、足の潰瘍や壊死を引き起こすことがあります。
下肢静脈瘤は足の静脈の弁が正常に機能しなくなり、血液が逆流して血管が拡張する病気です。
足のむくみやだるさ血管の浮き上がりなどを伴います。
これらの病気は専門医による適切な診断と治療が必要です。
自己判断せずに医療機関を受診しましょう。
まとめ
ふくらはぎの痛みは、さまざまな原因によって引き起こされます。
筋肉疲労や損傷、血行不良、神経の圧迫などが主な原因です。
適切なケアと予防を心がけることで、健康な毎日を送ることができます。
痛みが続く場合は、医療機関を受診し適切な治療を受けましょう。
RICE処置やマッサージ、ストレッチ温熱療法などの応急処置は痛みを和らげるのに役立ちます。
また定期的な運動やストレッチ、適切な水分補給、冷え対策などは痛みの予防に効果的です。