肩の痛みに悩むあなたへ!
四十肩・五十肩のつらい症状・原因・効果的な治療法・痛みを和らげる寝方まで専門家が徹底解説します。
この記事を読めばあなたの肩の悩みがきっと解消されるはずです。
四十肩・五十肩とは?その原因と症状を詳しく解説
四十肩・五十肩の基本的な定義と特徴
四十肩、五十肩は肩の痛みや可動域制限を主な症状とする疾患です。
腕を上げたり、後ろに回したりする動作が困難になることがあります。
一般的には肩関節周囲炎と呼ばれ、加齢に伴い肩関節の組織に炎症が起こることが原因と考えられていますが、実際には肩関節周りの筋肉が痛んでいる症状です。
しかし筋肉はレントゲンに写らないので、病院検査でも正確な原因が特定できない症状です。
発症年齢には個人差がありますが、一般的に40歳代から50歳代に多くみられます。
男女差はほとんどなくどちらも同じくらいの割合で発症します。
症状の程度も人によって異なり、日常生活に支障をきたすほどの強い痛みが出る人もいれば軽い違和感程度の人もいます。
また症状が自然に改善することもありますが、放置すると慢性化するリスクもあるため早期の適切な対処が重要です。
年齢とともに出やすい?四十肩・五十肩になりやすい人の特徴
四十肩・五十肩は特定の年齢層に多く見られる疾患ですが、生活習慣や職業が発症に影響を与えている可能性があります。
特にデスクワークなどで長時間同じ姿勢を続ける人や重い物を運ぶ作業が多い人は、肩関節部の筋肉への負担が大きくなりやすく発症リスクが高まる傾向にあります。
つまり肩関節部の筋肉を酷使したり、腕を使うPC作業でストレスを感じると、交感神経が働いて血管を収縮させるので、筋肉に十分な栄養や酸素が供給できなくなり筋肉細胞が壊れるというのが生理学的な原因です。
また運動不足や喫煙習慣なども血行不良を引き起こすので、肩関節の筋肉炎症を悪化させる要因となることがあります。
糖尿病や高血圧などの生活習慣病を持っている人も発症しやすいことが報告されています。
これらの要因が複合的に関与し、四十肩・五十肩の発症につながると考えられます。
放置するとどうなる?四十肩・五十肩の進行とリスク
四十肩・五十肩は初期症状を放置すると慢性的な痛みに移行するリスクがあります。
初期段階では肩の違和感や軽い痛み程度で済むこともありますが、放置すると筋肉の炎症が進行し夜間の痛みや可動域制限が強くなることがあります。
症状が悪化すると日常生活での動作、例えば着替えや髪を洗うこと、物を持ち上げることなどが困難になることがあります。
また痛みをかばうことで肩周りの筋肉が硬直し、さらなる可動域制限を引き起こす悪循環に陥ることもあります。
適切な治療を受けずに放置すると数ヶ月から数年にわたって症状が続くこともあり、生活の質を著しく低下させる可能性があります。
そのため、早期の診断と適切な治療が非常に重要です。
痛みのメカニズムを解明!四十肩・五十肩と肩こりの違い
肩こりとの違いを明確に:症状と痛みの本質
肩こりと四十肩・五十肩はどちらも肩に痛みや不快感を生じる症状で、痛みの性質や原因が異なると考えられていますが、筋肉の問題という意味では同じです。
こちらで詳しく解説
肩こりは筋肉の緊張や疲労によって生じる痛みが主で、肩や首の筋肉が凝り固まっている状態を指します。
一方四十肩・五十肩は肩関節部分の筋肉が疲労や緊張で生じる痛みであり、筋肉が硬くなって関節の動きが悪くなるので可動域制限を伴うことが特徴です。
肩こりの痛みは筋肉を揉みほぐしたり温めたりすることで緩和されることが多いように、四十肩・五十肩の痛みもこれらの処置で緩和されることがあります。
四十肩・五十肩は夜間に痛みが増強したり、特定の動作時に痛みが強くなるといった特徴もあります。
これらは自律神経の働きと関係してると考えられます。
これらの違いを理解しながら、適切な対処法を選択することが大切です。
痛む場所はどこ?症状の現れ方と痛みの種類
四十肩・五十肩の痛みは、肩関節全体や肩の前面・側面・背面に現れることがあります。
痛みは鈍痛やズキズキとした痛み、時には刺すような痛みを伴うこともあります。
初期段階では腕を上げたり後ろに回したりする際に痛みを感じることが多いですが、症状が進行すると安静時にも痛みを感じるようになることがあります。
特に夜間痛は睡眠を妨げるほどの強い痛みとなることもあります。
痛む場所や痛みの種類を把握することは、自己判断をする上で非常に重要です。
四十肩・五十肩の場合病院に行っても特に治療らしい治療がないので、長年痛みに耐える生活をしている方が多いと思います。
痛みの状態を詳しく把握することで、解決の糸口が分かるようになります。
どうして病院に行っても良くならないのか?コチラに詳しく解説
四十肩五十肩と言われる肩痛が起こる原因について解説したいと思います。
一口で四十肩五十肩と言っても、実際に痛むポイントが3ヵ所ほどあります。
3か所全部悪い人もいるし1ヵ所だけの人もいて、個人個人痛んでいる状態は少し違います。
四十肩五十肩が起こりやすい3つのポイントを詳しく解説していきます。
腕の付け根が痛くて腕が上がらない
四十肩五十肩で一番多いのは、腕を上げようとすると痛みが起こって腕が上げられないという状態の方です。
服を着ようとして肩を上げると、痛みが起こって思わず腕の付け根を押さえてしまいます。
実際に痛い所を調べると右の写真のように、肩の付け根全体が痛んでいることが分ります。
これは、肩の付け根にある「三角筋」という筋肉が痛んでいる状態です。
「三角筋」は腕を広げたり歩行時に腕を振る時に働く筋肉ですから、そういう動きができなくなります。
肩の付け根が痛くて腕が後ろに回せない状態
肩の前の付け根付近が痛くて、腕を後ろに回せないという四十肩五十肩の人もたくさんいます。
エプロンの紐を後ろで結べないとか、スカートのファスナーに手が届かないなど生活が不便です。
実際に痛い所を確認すると下の写真のように見つかります。
肩の前の付け根には「肩甲下筋」という腕相撲などをするときに働く筋肉があります。
この筋肉が伸びないために、後ろに手がまわらなくなります。
肩の裏側に痛みが起こる場合
あまり多くはありませんが、腕を前方に回したりすると肩の裏側に痛みが起こる四十肩五十肩もあります。
これは肩の裏側にある「棘下筋」というが痛んでいます。
「棘下筋」は目の前のものを払いのけたりする時に働く筋肉ですが、肩甲骨の周りの「棘上筋」や「菱形筋」といった筋肉も痛んでいるケースが多くなります。
夜間痛の正体:眠れない夜を解消するヒント
四十肩・五十肩における夜間痛は、炎症によって肩関節筋肉内部の圧力が高まることや寝ている時の姿勢によって肩関節への負担が増すことが原因と考えられています。
夜間特に寝返りを打つ際や、特定の姿勢で寝ると痛みが増強することがあります。
夜間痛を軽減するためには、寝具や寝姿勢の工夫が重要です。
例えば硬すぎないマットレスや枕を選び、肩への負担を減らすことが有効です。
また痛む側を下にして横向きに寝るよりも、仰向けや痛くない側を下にした横向き寝を試すことも有効です。
さらに就寝前に肩を温めたり、軽いストレッチをすることも夜間痛の緩和に役立ちます。
痛みが強い場合は、医師に相談して鎮痛剤を服用することも検討しましょう。
病院での検査と診断:レントゲンで異常がない?
四十肩・五十肩の診断方法:問診から画像診断まで
四十肩・五十肩の診断はまず問診から始まります。
医師は患者さんの症状や痛みの程度、発症時期、日常生活での支障などを詳しく聞きます。
次に肩関節の可動域を調べる理学検査を行います。
腕を上げたり回したりする動作を確認することで、可動域の制限や痛みの有無をチェックします。
必要に応じてレントゲン検査などの画像診断を行います。
レントゲン検査では骨の状態を確認することができますが、四十肩・五十肩は肩関節部の筋肉炎症が主な原因であるためレントゲンでは異常が見られないことが多いです。
しかし他の疾患との鑑別のためにも、レントゲン検査は行われることがあります。
レントゲンで異常なし?他の検査が必要なケースとは
レントゲン検査で異常が見られない場合四十肩・五十肩の可能性が高いですが、他の疾患の可能性も考慮する必要があります。
特に腱板断裂や石灰沈着性腱炎といった疾患は、四十肩・五十肩と症状が似ているため鑑別が必要です。
これらの疾患を特定するために、MRI検査や超音波検査が行われることがあります。
MRI検査では肩関節の軟部組織の状態を詳しく調べることができ、腱板断裂などの疾患を診断するのに有効です。
超音波検査は手軽に行える検査であり、肩関節周囲の炎症や腱の状態を確認することができます。
これらの検査を組み合わせることで、より正確な診断が可能になります。
他の病気の可能性:腱板断裂との違いを比較
四十肩・五十肩と間違えやすい疾患の一つに腱板断裂があります。
腱板とは肩の関節を構成する筋肉の腱のことで、腕を上げたり回したりする動作に関与しています。
腱板断裂はこの腱が断裂してしまう疾患で、外傷や加齢によって起こることがあります。
症状としては肩の痛みや腕を上げることが困難になることが挙げられ、四十肩・五十肩とよく似ています。
しかし腱板断裂は外傷歴があったり、特定の方向に腕を動かすと強い痛みが生じることが多く、四十肩・五十肩とは痛みの現れ方が異なることがあります。
診断にはMRI検査が有効です。
治療法も異なり、腱板断裂の場合は手術が必要となることもあります。
正確な診断を行い、適切な治療を受けることが重要です。
専門家が教える!効果的な治療法とセルフケア
痛みを和らげる治療法:薬物療法、注射、リハビリ
四十肩・五十肩の治療法には、薬物療法、注射療法、リハビリテーションなどがあります。
薬物療法では痛みや炎症を抑えるために、非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)や鎮痛剤が用いられます。
注射療法では、炎症を抑えるためにステロイド剤を肩関節に直接注射することがあります。
これらの治療法は痛みを一時的に緩和するのに有効ですが、根本的な治療にはリハビリテーションが必要です。
リハビリテーションでは、肩関節の可動域を改善するための運動療法や筋力トレーニング、ストレッチなどを行います。
専門家の指導のもと適切なリハビリテーションを行うことで、痛みの軽減や機能回復を目指します。
これらの治療法は、患者さんの症状や状態に合わせて組み合わせて行われることが多いです。
自宅でできる簡単ストレッチ&エクササイズ
自宅でできる簡単なストレッチやエクササイズは、四十肩・五十肩の症状緩和に役立ちます。
例えば肩甲骨を動かすストレッチは、肩周りの筋肉の柔軟性を高めるのに有効です。
両手を肩に当てて肘で大きな円を描くように回したり、両手を背中で組んで肩甲骨を寄せるように意識するストレッチなどがあります。
また腕をゆっくりと上げ下げする運動や、壁に手をついて体をゆっくりと回す運動なども効果的です。
これらの運動は、無理のない範囲で毎日継続することが大切です。
痛みを感じる場合は、無理せず休憩を挟みながら行いましょう。
正しいフォームで行うことも重要です。
動画などを参考にしながら、正確なストレッチやエクササイズを心がけましょう。
専門家による整体、鍼灸の効果と注意点
整体や鍼灸が四十肩・五十肩の症状緩和に効果的な場合があります。
整体では体の歪みを整え筋肉や関節のバランスを調整することで肩への負担を軽減します。
鍼灸では特定のツボを刺激することで血行を促進し、痛みを和らげる効果が期待できます。
しかしこれらの治療法は、施術者の技術や経験によって効果が左右されることがあります。
そのため、信頼できる施術者を選ぶことが重要です。
施術を受ける際には事前に自分の症状や状態を詳しく伝え、施術内容やリスクについて十分に説明を受けてからにしましょう。
また効果には個人差があるため過度な期待はせず、他の治療法と併用することも検討しましょう。
施術後に痛みが増す場合は、すぐに施術者に相談してください。
四十肩・五十肩の夜間痛を軽減!快適な睡眠のための寝方
寝具と寝姿勢の工夫で夜間痛を軽減
四十肩・五十肩による夜間痛を軽減するためには、寝具と寝姿勢の工夫が重要です。
まずマットレスは、硬すぎず柔らかすぎないものを選びましょう。
硬すぎるマットレスは肩に圧力がかかりやすく、痛みを増強させる可能性があります。
逆に柔らかすぎるマットレスは体が沈み込みやすく寝返りが打ちにくいため、肩の負担が増えることがあります。
また枕は首の自然なカーブを保てる高さのものを選びましょう。
高すぎる枕は首や肩に負担がかかり、痛みを悪化させる可能性があります。
寝姿勢は仰向けで寝るか、痛くない側を下にして横向きで寝るのがおすすめです。
うつ伏せ寝や痛い側を下にした横向き寝は、肩に負担がかかりやすいため避けましょう。
これらの工夫をすることで夜間の痛みを軽減し、より快適な睡眠を得ることができます。
枕の選び方と高さ調整で首への負担を軽減
枕は首の自然なカーブを保ち、首や肩への負担を軽減する上で非常に重要な寝具です。
枕の高さが合っていないと首や肩の筋肉が緊張し、四十肩・五十肩の症状を悪化させる可能性があります。
枕を選ぶ際には、仰向けで寝たときに首とマットレスの間にできる隙間を埋めることができる高さのものを選びましょう。
横向きで寝る場合は、肩の高さに合わせて少し高めの枕を選ぶと良いでしょう。
枕の素材も重要で、通気性や吸湿性に優れたものを選ぶと快適な睡眠が得られます。
また枕の高さは、タオルなどを挟んで調整することもできます。
自分に合った枕を見つけ適切な高さに調整することで、首や肩への負担を軽減し夜間痛の緩和に繋げることができます。
痛む側を下にする?横向き寝のメリット
横向きで寝る際、痛む側を下にするか痛くない側を下にするかで肩への負担が変わります。
一般的に、痛む側を下にして寝ると肩に圧力がかかり、痛みが増強する可能性があります。
そのため痛くない側を下にして横向きに寝る方が、肩への負担を軽減できます。
ただし、人によっては痛む側を下にした方が楽に感じる場合もあります。
重要なのは、自分にとって楽な姿勢を見つけることです。
横向きで寝る場合は膝を軽く曲げ背中を丸めるようにして寝ると、より楽に寝ることができます。
また抱き枕を使用することで、姿勢が安定し肩への負担を軽減することもできます。
色々試してみて、自分にとって最適な寝姿勢を見つけましょう。
まとめ:四十肩・五十肩と上手く付き合うために
症状と付き合いながら生活の質を高める
四十肩・五十肩は症状が長引くこともありますが、適切な治療とセルフケアを続けることで症状をコントロールし生活の質を向上させることができます。
痛みが強い時は無理せず安静にするようにしましょう。
痛みが和らいできたら、無理のない範囲でストレッチやエクササイズを継続しましょう。
また日常生活での姿勢や動作にも注意し、肩に負担をかけないように心がけましょう。
温めることも有効な場合があります。
入浴や温湿布などで肩を温めると、血行が良くなり痛みが和らぐことがあります。
これらのセルフケアを継続し、焦らずに症状と向き合っていくことが大切です。
症状が改善しない場合は、専門家への相談も検討しましょう。
専門家への相談も選択肢の一つ
四十肩・五十肩の症状が改善しない場合は、専門医や薬剤師に相談することを検討しましょう。
整形外科医は症状の診断や適切な治療法を提案してくれます。
リハビリテーションが必要な場合は、理学療法士の指導を受けることもできます。
ま、薬剤師は症状に合わせた薬の選び方や、漢方薬などの情報を提供してくれます。
特に漢方薬の中では独活葛根湯が、肩や関節の痛みを和らげる効果が期待できます。
専門家と連携し適切な治療を受けることで、症状の改善や生活の質の向上を目指しましょう。
自己判断で放置せず専門家の意見を聞くことが大切です。