変形性股関節症が股関節痛の原因と言えない理由

股関節痛の痛みで悩む女性

この記事では股関節痛の原因と解決方法について解説します。

現代医学や東洋医学さらに生理学や細胞学などを元に、現代医学の整形外科が股関節痛の解決にイマイチ大きな成果を上げていない理由について解説します。

「私はどうして股関節が痛いの?」「病院に行っても良くならないのはどうして?」「どこに行けば良くなるの?」「手術はしたくない」とお悩みの方にお役立て頂けると思います。

私達が一番辛いのは痛みです!

しかし「何年も病院に通っても良くならない」「色んな治療院に行っても良くならない」「手術をしたけど痛みが取れない」などの状況で悩んでいる方がたくさんいます。

そんな方に 『痛みとは何なのか?』『どうして良くならないのか?』という事について詳しくお話したいと思います。

股関節の軟骨がすり減って痛いは本当か?

股関節が痛くて歩くのも辛い状態の人はたくさんいます。

歩き方が普通じゃないので「この人は股関節が悪いんだな…」とすぐ分ります。

整形外科に行くとレントゲンやMRI検査の結果、多くは「変形性股関節症」と診断されます。

実際にすり減った股関節のレントゲン写真を見せられて「股関節の軟骨がすり減っているから痛くて歩けないのです」と説明されれば納得するしかありません。

たぶんあなたは「人生終わった!」と思うくらいガッカリすると思います。

ところが、少し医学を勉強するとこの診断にはいくつかの矛盾のあることが分ります。

変形性膝関節症のイメージ

変形性膝関節症のイメージ

「脚の付け根が痛い」「違和感がある」「脚が前にスムーズに動かせない」中高年の女性に多く見られる症状です。

病院の整形外科に行くと、ほぼ間違いなく股関節が変形した「変形性股関節症」が原因ですと言われます。

つまり上図のように股関節部分の軟骨がすり減って、骨と骨がぶつかるために痛みが起こりうまく足を動かせななくなるという説明です。

しかしこの説明には医学的におかしい所があります。

一つは 『骨がぶつかって痛い』という考え方です。

現代医学の常識ですが痛みは神経の問題です。

ところが骨には神経がありません。

ですから骨がぶつかって痛いと言う説明は医学的におかしい話です。

虫歯の治療を思い出してみて下さい。

歯を削って痛いのではなく、神経にぶつかると痛いのです。

ですから神経を麻酔でブロックしてから歯を削ります。

神経が痛いというのは誤解です!

すると今度は 『骨がすり減って神経が圧迫されて痛い』と言われるかも知れません。

実はこれも矛盾した話です。

図の写真を見ても、都合よくすり減った骨と骨の間を通っている神経はありません。

一体どの神経が圧迫されているというのでしょう?

冷静に考えると矛盾した説明だと分ります。

変形性膝関節症のレントゲン写真

変形性膝関節症のレントゲン写真

それともう一つ医学的に矛盾があります。

たぶんほとんどの人は「神経が痛い」と思っています。

現代医学の生理学「痛みのメカニズム」を少し勉強すると分かりますが、それは大きな誤解です。

整形外科の痛みが起こる説明は 「神経が圧迫されて痛みが起こる」という事です。

実はこれには大きな矛盾があります。

現代医学で「痛みのメカニズム」(痛みが起こる仕組み)は生理学で学ぶ内容です。

その生理学で神経の働きについてどう書いてあるか紹介します。

これは医師の卵たちも実際に医学部の講義で習う内容です。

「痛みというのは通常、神経線維の先端についている痛みセンサーだけがキャッチします。痛みセンサーが電気信号を伝えてはじめて、痛みが感知される のです。 神経の途中で痛みが発生したり感知されることはありません 

石川県にある加茂整形外科医院院長の加茂淳先生の著書『トリガーポイントブロックで腰痛は治る!』から一部抜粋

痛みを伝える神経の仕組み

痛みを伝える神経の仕組み

上図(神経の仕組み)をみると分りますが、 神経の先端には感覚受容器というセンサーが付いています。

このセンサーが痛みの電気信号をキャッチすると、脳に伝わって痛みを感じます。

神経の途中にはこのセンサーがないので、圧迫されたりしても痛みを感じたりしないというのが生理学(生命の仕組み)における医学の常識になっています。

通常のセンサーと同じ仕組みです。

センサーはその先端で情報をキャッチして、情報がモニターに送られます。

センサーの線を足で強く踏んだとしてもセンサーが反応することはありません。

何も起こりません。 

実は神経もセンサーと同じような仕組みになっています。

ですから神経の途中が骨で圧迫され痛みが起こるという整形外科の説明は、医学部で教える生命の仕組みと全く矛盾していることになります。

なぜ、整形外科のドクターは神経が痛いと言うのか?    

私は患者さんの体に触れながら実際に痛い所を探すのが施術の基本なので「あ~、ここの筋肉が痛んでいるんだな…」と分ります。

ですから20年くらい前から痛みは筋肉だと感じていました。

しかしドクターが「生理学の痛みのメカニズム」で『痛みは筋肉に起こる』と学んでいるのになぜ『骨がすり減って痛い』とか『神経が圧迫されて痛い』というのか理解できませんでした。

実際に痛い所を確認すれば骨なのか筋肉なのかすぐに分かるので「医師がこんなこと分からないはずがない」「もしかしたら、私が間違っているのだろうか?」と長年疑問を感じていました。

10年くらい前、加茂整形外科医院院長の加茂淳先生の著書『トリガーポイントブロックで腰痛は治る!』という本を読んでその疑問がやっと解決しました。

加茂先生の本にはこのように書いてあります。    

やっぱり整形外科のドクターは痛みが筋肉だということを知らなかったのです。 

「痛みのメカニズムを知らない医師」  

腰痛など筋骨格系の痛みのほとんどは、 筋肉のけいれんからくる「筋痛症」が原因です。 簡単に言うと、 筋肉の痛みです。 ところが、 医師の卵は、その肝心な 筋肉の生理学や病態についてはほとんど習わない のです。なぜか 現代医学から「筋肉」がすっぽり抜け落ちてしまっています。
 
いまの医学教育では、「痛みのメカニズム」については、基礎医学の生理学で 臨床の勉強を始める前にちょっと習うだけで、医師になる頃にはすっかり忘れている のが現状だと思います。 

つまり痛みのメカニズムを忘れてしまった医師が、習ったことがない筋肉の病態を診ている のです。そして、  レントゲンやMRIや関節鏡で見える「骨格異常」が痛みの原因だと教えられ、疑うこともせず、そう思い込んでいる のではないでしょうか。

石川県にある加茂整形外科医院院長の加茂淳先生の著書『トリガーポイントブロックで腰痛は治る!』から一部抜粋

ドクターの卵たちは、「痛みのメカニズム」ついて実はほとんど習っていないに等しいのです。

それで医療の現場に出てから先輩に「神経が圧迫されるのが痛みの原因だ」「骨がすり減っているのが原因だ」と教えられ、全く疑うこともなく診断しているというのが現実のようです。

その背景には、 筋肉はレントゲンやMRIをで検査しても写らない、 そして 現代医学には「筋肉科」がない 為に筋肉のことを研究しているドクターもほとんどいない、 さらに 整形外科のドクターはレントゲン画像だけ見て体を見ない という現実があるように思います。

では医学部の生理学で学ぶ痛みが起こる仕組みはどうなっているのか?こちらで詳しく解説します。

「痛みのメカニズム」について解説

変形性股関節症の本当の原因

私の施術は患者さんがどこが痛いかを確認することから始まります。

実際にどこが悪いか分からないと解決できないからです。

患者さんの体に触れ「ここは痛いですか?」と確認しながら痛い所を探します。

病院で変形性股関節症と診断された人も100人以上見てきました。

変形性股関節症の人の痛みを確認すると、実際に痛い部分は股関節ではなく下写真のように骨盤の付け根に沿って痛い人がほとんどです。(写真参照)

これは何を意味するのでしょうか…?

レントゲンに筋肉の状態は写らないので分りませんが、骨盤に沿って「腰骨筋」という筋肉があります。

変形性股関節症の人が実際どこが痛いのか調べると、ほとんどの人はこの腰骨筋が痛んでいるのです。(押圧すると自分でも分ります。変形性股関節症と言われ悩んでいたら確認してみて下さい)

腰骨筋の解説

腰骨筋の解説

腸骨筋は太腿の骨大腿骨に股関節部分で結合し、股関節を固定している筋肉です。

そして歩く時、走る時、階段を上る時などに足を持ち上げる働きをします。

ですからこの筋肉が痛んでいると足が上がりにくくなります。

整形外科では「軟骨がすり減って、痛い、普通に歩行ができない」という説明になりますが、私が実際に痛んでいる状態を確認した結果からすると「足を上げる筋肉が痛んでいるので、痛みが起こり歩行がうまくできない」と言う結論になります。

股関節痛の原因と解決方法を詳しく解説

股関節の人工関節手術の問題

整形外科の最終手段は人工関節の手術になります。

股関節の手術とはどういうことか?説明します。

すり減った軟骨部分を人工関節に置き換えます。

人工股関節の手術イメージ

人工股関節の手術イメージ

骨を金属に交換するので、術後に起こる色々な問題をキチンと調べてから決断した方がいいようです。

一番怖いのは転倒したりすると人工関節部分が壊れて交換しなければならなくなることです。

そうでなくとも高齢になると筋力が弱って転倒しやすくなるので、日々の生活に注意が必要です。

それと痛みが解決すると思って手術をしても、実際痛みが良くならない結果になることも多くあるので、手術を経験した人の声なども聞いて判断することをお勧めします。

手術して良くなる確率は?

自分で分かる股関節痛の原因

これまで股関節が痛いと言う人を100人以上見てきました。

実際にどこが痛いのか丁寧に調べると、股関節のすり減った部分(股関節の中奥の方)が痛い人はほとんどいません。

実際に痛みが見つかる所は次のような部分です。

実際に痛みが見つかる部分

実際に痛みが見つかる部分

病院ではレントゲンに写った骨の状態だけで診察します。

実際に股関節のどこが痛いか触って調べるドクターはほとんどいませんが、骨盤の一番出っ張っている所(腸骨)の周囲に実際痛い所が見つかります。

ここに何があるかというと右のイラストのように太腿の骨(大腿骨)につながっている色々な筋肉があります。

実はこのような股関節の筋肉が痛んでいます。

しかし筋肉の損傷はレントゲンには写らないので「軟骨がすり減ったのが原因」となってしまう訳です。

押圧すると分かるので、自分でどこが痛いか確認してみて下さい。

骨でない事が分ります。

骨盤に沿って起こる股関節の痛み

一番多いのは、骨盤に沿って見つかる股関節痛です。

骨盤の骨の内側を押圧すると「ウッ!」と強い痛みが分ります。

ほとんどの場合鼠径部まで続いています。

それと合わせて大腿骨の付け根部分にも痛みが見つかることが良くなります。

股関節のどこが痛いのか調べた写真

股関節のどこが痛いのか調べた写真

股関節痛の解消方法

実際にどこが痛んでいるか確認しながら(これが一番重要)、下の写真のようにメディカルイオンシートを半分の大きさに切ったものをペタペタ貼ります。

自分でできる股関節痛解消の施術例

自分でできる股関節痛解消の施術例

貼り終わったら歩いて見て下さい。

足がすごく軽くなって、股関節の痛みも楽になったのが分かると思います。

股関節が痛い場合は、太ももの方まで痛んでいるケースが多くなります。

足の痛みに関する記事を参考にして一緒に解決して下さい。

 

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