この記事では、「痛みは筋肉の問題で起こる」についてお話しします。
現代医学の生理学で分かっている内容では、痛みは筋肉の痛みつまり筋痛症ということです。
ドクターの卵達は生理学の講義で「痛みは筋肉で起こる」学びます。
それがどうして「神経が圧迫されて痛い」「軟骨がすり減って痛い」となってしまうのか?
詳しく解説したいと思います。
まずはこちらの記事をお読み下さい。
痛みの原因は筋肉
痛みが神経の圧迫や骨がすり減った問題で起こるのではないことを理解頂けたでしょうか?
じゃあ何の問題か?ということです。
医学書のベストセラー『トリガーポイントブロックで腰痛は治る!』の著者加茂整形外科医院の加茂淳院長先生は本の中で痛みについてこのように書いています。
『痛みのメカニズムを知らない医師』というタイトルでこのように言っています。
「痛みのメカニズムを知らない医師」
腰痛など筋骨格系の痛みのほとんどは、 筋肉のけいれんからくる「筋痛症」が原因です。
簡単に言うと、 筋肉の痛みです。
ところが、 医師の卵は、その肝心な 筋肉の生理学や病態についてはほとんど習わない のです。
なぜか 現代医学から「筋肉」がすっぽり抜け落ちてしまっています。
いまの医学教育では、「痛みのメカニズム」については、基礎医学の生理学で 臨床の勉強を始める前にちょっと習うだけで、医師になる頃にはすっかり忘れている のが現状だと思います。
つまり痛みのメカニズムを忘れてしまった医師が、習ったことがない筋肉の病態を診ている のです。
そして、 レントゲンやMRIや関節鏡で見える「骨格異常」が痛みの原因だと教えられ、疑うこともせずそう思い込んでいる のではないでしょうか。
加茂整形外科医院院長の加茂淳先生の著書『トリガーポイントブロックで腰痛は治る!』から抜粋
「え~!本当ですか!?」と思わず叫びたくなるほどの内容です。
私の所に来る患者さんが「整形外科に行っても仕方ない」とか「手術したけど良くならない」と言う方が多い理由が、実はこういうことが原因だったのです。
整形外科は骨折など骨の問題が専門ですから、筋肉の問題や痛みがなぜ起こるかなどの問題については医学部でほとんど学んでいないのです。
でも「分かりません」「治せません」と言ったら患者さん来なくなりますからね…。
『痛み=筋肉』だと分かる理由
私が「痛みは筋肉で起こっている」と考えるようになったのは、もう20年くらい前です。 最初「イオンパッチ」という痛みが消えるシールを試行錯誤して開発した頃です。
大きさが1円玉くらいのシールを、患者さんの痛いところに1枚1枚貼っていました。
上の写真はTV「ビートたけしの家庭・膝痛スペシャル」に資料提供した写真です。
こんな風に痛いところを確認しながらシールを貼って行きます。
貼り終わって、その状態を見ると「これって内側広筋が痛んでいるんじゃない!」と分かるのです。
そんなことを何千人とやっている内に、腰痛も首肩痛も足痛も全部筋肉が原因で痛みが起きていると確信しました。
しかし筋肉はレントゲンに写らないので、病院の検査では分からないのです。
そして筋肉科がない医療の現実で痛みが良くならなくてみなさん悩んでいるのです。
どうして痛みは筋肉で起こるのか?
医学書のベストセラー『トリガーポイントブロックで腰痛は治る!』の中で、著者の加茂先生はこのように言っていらっしゃいます。
患部が継続して大きな刺激を受けると、脳はその刺激を受けて自律神経の交換神経が緊張します。
交感神経が緊張すると血管が収縮しその結果血流が悪くなり、筋肉細胞に十分な血液が行かなくなり酸欠状態になって行きます。
筋肉細胞が正常に機能するために酸素は必要不可欠で、酸欠状態は細胞にとって危機的な状況になります」
大きな刺激とは通常仕事やスポーツで筋肉を酷使することを意味します。
そうすると交感神経が緊張するので血管が収縮し血流が悪くなります。
血流が悪くなると筋肉細胞に十分な栄養や酸素が行かなくなるので細胞が壊れてしまうということです。
細胞が壊れると筋肉そのものが正常に機能しなくなるので、SOSの電気信号を出して教えるのが痛みという訳です。
活性酸素が細胞を破壊する
国立研究開発法人理化学研究所ライフサイエンス技術基盤研究センターの渡辺恭良先生はこのように言っています。
私たちの細胞には血液によって栄養と酸素が運ばれ、その栄養を酸素で燃やして活動のためのエネルギーをつくっています。
酸素が燃える時に生じるのが活性酸素です。
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活性酸素は増え過ぎると細胞を錆びさせて老化を進めますが、通常は体に備わっている抗酸化力が働いて過剰な活性酸素を除去しています。
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しかし活動量が増えたりストレスや環境から心身に負担がかかったりするとそのぶん細胞は頑張らなくてはならず、多くの酸素を使ってエネルギーを作ろうとします。
その結果、活性酸素も大量に発生します。
体内の抗酸化力が追いつかず、細胞自体が錆びついていきます。
免疫学の研究で有名な安保徹先生(新潟大学医学部:故人)もベストセラー本「薬をやめると病気は治る」でこのように言っていらっしゃいます。
交感神経が過度に緊張した状態では、白血球(血液中を流れる細胞の一つ)のうちの顆粒球と呼ばれる細胞がふえます。
顆粒球は活性酸素という毒性の強い物質をまき散らし、これによって体の粘膜細胞(筋膜)が破壊されます。
つまり血流が悪くなると、活性酸素が発生して細胞が錆びて破壊されることが細胞学や免疫学で分っています。
私達の老化もこの活性酸素が原因で、直接ないし間接に色々な病気の9割以上に関係していると言われています。
痛みが起こる11の要因
そして次のような場合通常の呼吸により発生する何倍もの活性酸素が生成されて、様々な病気や老化を引き起こすと言われています。
活性酸素が大量発生し病気や老化の原因になりやすい
- 激しい運動、肉体的にきつい仕事などで大量に酸素を消費したとき
- 高密度の酸素吸入・摂取をしたとき
- 体内に病原菌やウイルスなどが侵入してきたとき
- 喫煙、車の排気ガスや工場の排煙を多量に吸ったとき
- 大きな手術をしたとき
- 強いストレスを感じたとき
- 大量の紫外線を浴びたとき
- 放射線(レントゲン、放射線療法など)を浴びたとき
- 体内に医薬品などの化学物質が入ってきたとき
- 電磁波(携帯電話、パソコン、高圧線など)を浴びたとき
- 多量飲酒など
仕事や運動などで毎日筋肉を酷使すると大量の活性酸素が発生して筋肉細胞(筋膜)を錆びつかせるので、伸びたり縮んだりできなくなるのです。
筋肉が錆びた状態は筋肉が硬くなっているので触ると大体分かります。
肩こりなんかは触るとすぐに分かりますよね。
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